途中

13日目、ゴンドラの下は一面のぶどう畑。ウィーンからライン川のリューデスハイムへ

おはようございます。まだ朝の5時半です。

今日は、ウィーン中央駅を7時12分に出る列車で、ドイツのフランクフルト中央駅へ向かいます。郊外のほうに泊まっている私は、もうそろそろ出ないといけません。

顔は、たぶん昨日ビールを飲んでそのまま寝たせいで、めちゃくちゃむくんでいます。解消しようと少し筋トレをしてみましたが、正直、スズメの涙ほどの効果しかなさそうです。まあ、それはそれとして。中欧編は、今日でおしまい。ここから、ドイツ、コペンハーゲン、スウェーデンと、また新しい旅が始まります。

ゴンドラから見下ろしたリューデスハイムのぶどう畑。奥にライン川と対岸の街が広がる

ゴンドラから見下ろしたリューデスハイムのぶどう畑。奥にライン川と対岸の街が広がる

新幹線みたいな特急で、国境を越える

ウィーン中央駅に着いて、駅のパン屋さんに寄りました。発車の10分前になったところで、いよいよホームへ。10日目や12日目にも書いたとおり、このあたりの駅はホームが前後にとにかく長いので、思っている場所から列車がずれて停まっている可能性があります。早めに動くに限ります。

ホームに停まっていたのは、ドイツ鉄道の特急ICE。めちゃくちゃ新幹線みたいな形をした列車です。編成は、少なくとも8両くらいはありそうでした。ここからニュルンベルクなどを通って、6時間ちょっとでフランクフルトまで国境を越えていきます。撮影していて乗り遅れたら、笑えません。

食堂車で、昼前のビール

この列車には、食堂車が付いています。発車前にメニューを開いてみると、ビールのページのいちばん上に、「新しい」の印がついたケーニッヒ・ピルスナーが載っていました。0.33リットルの瓶で4.2ユーロ。

お昼前、食堂車でこれを1本。DBのロゴが入ったグラスに注いで飲みました。

食堂車のテーブル。ケーニッヒ・ピルスナーの瓶と、DBのロゴが入ったグラス

食堂車のテーブル。ケーニッヒ・ピルスナーの瓶と、DBのロゴが入ったグラス

列車は、フランクフルト中央駅に時間どおりに着きました。大きなアーチ屋根の下に、白いICEが停まっています。この駅が開業したのは1888年。ドイツではハンブルク中央駅に次いで2番目に利用者の多い駅で、列車が行き止まりの線路に入ってくる、頭端式の駅です。

「降りろ」を覚えた、ライン川への列車

ホテルにチェックインして、夕方からライン川のほうへ足をのばします。フランクフルト中央駅から1時間10分ほどで、リューデスハイム・アム・ラインという街に着きました。

それにしても、さっきの列車では、無賃乗車をしている乗客が何人かいました。それに対して車掌さんが、ひたすら「降りろ」と言い続けている。ドイツ語では「アウスシュタイゲン」と言うんですが、あまりにも連呼していたので、知らなかったこの単語を、もう覚えてしまいました。そのせいで列車は15分くらい停まっていて、なんやねん、という感じです。

リューデスハイムは、ライン川沿いの有名なワインの産地です。駅前にも、ここはワインの産地だよ、ということを示す看板が立っていました。なかでも盛んに育てられているのが、リースリングという白ワイン用のぶどう。目の前には、ぶどうの木が一面に、きれいに列をなして植えられています。

丘の方を見上げると、ゴンドラが上がっていくのが見えました。どうやら、丘の上まで行けるらしい。あとで行ってみることにしました。

ゴンドラの真下は、一面のぶどう畑

というわけで、ゴンドラに乗っています。運賃はカードで、日本円にすると2,000円弱。

これが、めちゃくちゃ景色がいい。左手にはずっと流れているライン川、真下には一面に広がるぶどう畑。やばいね、これ。景色がバカいい。ドイツに来たら、ここは絶対に行ったほうがいいかもしれません。乗っているあいだに、6時の鐘が鳴りました。マジで最高じゃん。

ゴンドラから見たリューデスハイムの街。古い塔のある家並みの先に、ライン川と対岸の街

ゴンドラから見たリューデスハイムの街。古い塔のある家並みの先に、ライン川と対岸の街

最終のゴンドラは7時。夕方の遅い時間だったからか、乗っている人は少なめで、私の前にいたのはドイツ人のご夫婦が一組だけでした。

上がった先は、ニーダーヴァルトと呼ばれる丘の森です。案内板によると、18世紀後半にオスタイン伯爵がここに庭園をつくり、ライン川を見渡す眺めは、画家のウィリアム・ターナーや詩人のクレメンス・ブレンターノたちを惹きつけたそうです。丘の上には、1790年に建てられた円形の神殿のような東屋があって、その向こうにライン川がゆったりと曲がっていました。正直、星5をあげたい眺めです。

ニーダーヴァルトの丘に建つ円形の東屋。眼下をライン川が流れる

ニーダーヴァルトの丘に建つ円形の東屋。眼下をライン川が流れる

この丘には、1883年に完成した巨大な記念碑、ニーダーヴァルト記念碑もあります。そしてこのあたり、ここリューデスハイムから下流のコブレンツまでの65キロほどは、「ライン渓谷中流上部」として2002年に世界遺産に登録されています。

観光地価格の小道と、ポテトとビールの夜

丘を下りて、リューデスハイムの街へ。石畳の通りに、古い家並みが続きます。この街の名物だという、ドロッセルガッセという小道にも入ってみました。全長150メートルにも満たない、石畳の細い路地です。めちゃくちゃきれいでした。

リューデスハイムの町なかのぶどう畑。上の斜面を、ゴンドラが行き来している

リューデスハイムの町なかのぶどう畑。上の斜面を、ゴンドラが行き来している

シュニッツェルにワイン、ビールと、どの店もめちゃくちゃおいしそうでした。でも、だいぶ観光地価格です。普通に食べたら、たぶん3,000〜4,000円はかかる。ここはおとなしく、フランクフルトの市内に戻って安く済ませることにしました。

とはいえ、今日のホテルの部屋には、なぜかビールグラスが置いてあったんです。今夜はポテトとビールの夜にしよう。せっかくドイツに入ったんだから、ドイツを満喫しようと思います。

バラの街、エルトヴィレ

帰り道、エルトヴィレという街で途中下車しました。ここはバラで有名な街だそうで、5月から6月にはバラのお祭りもやっているらしい。調べてみると、ドイツに10あるという「バラの街」のひとつで、毎年6月の最初の週末に「バラの日」というお祭りが開かれています。

ただ、いかんせん今はもう7月です。バラ園だけサクッと見て、次の電車までの時間をつぶすことにしました。

駅のまわりは、途中まではごく普通の街並み。それが、駅から南のほうへ少し歩いていくと、急におとぎ話の世界に出てきそうな、石畳の街並みが現れました。肝心のバラ園が、なかなか出てきません。歩き回って、たぶんここだな、とたどり着いたのが、石垣に沿った小道でした。エルトヴィレのバラ園は、14世紀に建てられたお城の高い壁のあいだにあるそうです。

エルトヴィレのバラ園の小道。石垣の脇に、花の終わったバラの枝が伸びる

エルトヴィレのバラ園の小道。石垣の脇に、花の終わったバラの枝が伸びる

シーズンはもう終わっています。季節になると、ここにたくさんのバラが咲くみたいです。道沿いに伸びているのも、たぶんバラの茎。

フランクフルト中央駅には、夜9時すぎに戻りました。ドイツの鉄道は、毎回5分、10分と微妙に遅れます。乗り継ぎの時間をタイトに組むと、乗れない可能性がある。注意したほうがいいと思います。

栓抜きとギネスと、生ハム

ホテルの部屋に戻って、遅い夕食です。時刻は夜10時をまわっています。今日選んだのは、ギネスのエクストラスタウト。急に、黒ビールが飲みたい気分になったんです。

ここで登場するのが、さっきスーパーで買った栓抜き。この旅ではビールをめっちゃ飲みたかったのに、栓抜きがないせいで、缶の銘柄しか選べなかった。それが結構ストレスでした。ギネスも、缶がなくて瓶しかなかったので、これまで飲めなかったんです。

このホテルが、安宿なのにちゃんとビールグラスを置いてくれている。シャワーと洗面台とトイレ付きの個室。フランクフルト中央駅からは歩いて2分ほど。評価を10上げたいくらいです。しかも冷蔵庫まである。当たり前なのかもしれませんが、共用キッチンの宿を経験してきた身には、ありがたすぎて涙が出そうです。

ところが、注ぎ方を間違えて、泡がすごいことになりました。飲むところより泡のほうが大きい。一向に消える気配がありません。いつも下手なんです。エストニアのタリンの店では、あまりにも注ぎ方が下手で、見かねた店員さんが代わりに注いでくれたこともありました。ようやく泡が落ちてきたところで、乾杯。黒ビール、おいしい。

ちなみにギネスは、ドイツではなくアイルランドのビール。いつかダブリンのギネス工場の見学施設に行ってみたいです。

おつまみは、スーパーで買ってきたものです。オリーブのパンは1.9ユーロ。オリーブの塩気がパンにとても合います。ただ、ドイツに入ってから、パンは日本と同じか、それより高くなりました。ヨーロッパに来てからは、お金を使うときは麻布台ヒルズに来たと思って使っています。

そして、生ハムとチーズ。冷蔵庫があるから、買えたんです。生ハムは1人には十分な量で、1.9ユーロ。日本の安いペラペラのハムとは違って、しっかり分厚い。チーズは、たしか2ユーロくらい。冷蔵庫がないとまずいだろうと、この旅ではスーパーで一度も買っていなかったので、これが初めてです。うますぎる。

いまは1ユーロが、カードの手数料込みで178円ほど。外食をすれば、1食で3,000〜5,000円は見ておいたほうがいい。節約するなら自炊ですが、ホテルの個室にはキッチンがないことも多い。そうなると、パンを買ってハムとチーズを挟むのが、いちばん賢いやり方なのかなと思います。ハムとチーズは日本よりずっと安くて量も多いので、それを楽しむしかないでしょう。

まあ、いろいろ工夫すれば、なんとかなります。迷っているなら、とりあえず行ってみてから考えればいい。そう思った夜でした。


この日に出ていったお金:12,891円 50万円の残り:145,256円

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