15日目、交通が無料の国まで片道4時間。ルクセンブルク日帰りと、倒木で寄り道した帰り道
おはようございます。朝6時半、フランクフルトです。旅も15日目。2週間を超えて、残りは1週間を切りました。
今日は、ルクセンブルクに行きます。フランクフルトからローカル列車を乗り継げば、ユーレイルパスで予約料なしに行ける。ただし片道4時間ほどかかります。遠い。でも、ちょっと挑戦してみようと思います。
今夜は、日付が変わるくらいの時間にハンブルク行きの列車に乗ります。それまでに戻ってくればいいので、ドイツの鉄道が遅れようとキャンセルされようと、なんとかなりそうな気がする。ならなかったら、そのとき考えます。
ちなみに昨夜は土曜の夜、パーティーナイト。駅前の宿の外がめちゃくちゃうるさくて、途中で目が覚めました。宿が2階にあるので、1階の騒音がダイレクトに響いてくる。でも1泊6,000円台で、この円安ではほかに選択肢もない。しゃーない、そういう時もあります。
うれしかったのは、チェックアウトのとき。夜に戻ってくるからバックパックを預かってほしいと頼むと、最初は渋っていたフロントの人が、「いいよー」と快く引き受けてくれました。今日はもう、いい日になる気がしています。

崖の上から見下ろしたルクセンブルクの谷底の街。アルゼット川沿いに家並みと教会が続く
ライン川沿いを、ローカル列車で
フランクフルト中央駅のホームの端にはパン屋を中心にお店がずらっと並んでいて、マクドナルドやアジア料理の店まであります。
乗るのはコブレンツ行きのローカル列車。日曜の朝なのに、車内は人でいっぱいでした。こういうときは、ホームのいちばん遠いところまで歩いて乗るのがコツ。端の車両は空いていることが多いんです。奥まで行くと、ちゃんと空いている席がありました。やったね。

コブレンツへ向かう途中の、朝のライン川。川の向こうに緑の山並み
列車はマインツを通り、ライン川沿いを北へ。コブレンツには、しれっと10分遅れて着きました。いつものドイツ鉄道です。コブレンツはライン川とモーゼル川が合流する場所にある街で、名前はラテン語の「合流点」に由来するそうです。
ここから乗り換えて、トリーアへ。トリーアでは、同じホームの少し先に停まっている列車へ歩いて移るだけという、この旅で初めての乗り換えでした。乗り換え時間は6分しかなかったけれど、列車が時間どおりに着いてくれて助かりました。
交通が無料の国
ルクセンブルク中央駅に着いたのは、11時半前。4時間あまりの長旅でした。駅の屋根は木でできていて、波打つような形をしています。おしゃれな駅舎です。
ここに来るまでに、列車が橋を渡ってきたのですが、その景色がとてもきれいでした。ルクセンブルクはもともと要塞の街で、高いところから低いところまで、街に大きな高低差があります。その高いところを鉄道が橋で渡るので、街が見渡せるんです。
この国のいいところは、公共交通が無料なこと。2020年2月29日から、列車の1等車を除いて、国じゅうの公共交通が無料になりました。国全体で無料にしたのは、世界で初めてだそうです。物価の高さで有名な国ですが、これなら滞在費は意外と抑えられるかもしれません。
さらに、市内には無料の公共Wi-Fiがあって、サインアップするだけで使えます。これが速くて、もうテクノロジーの国って感じ。

ルクセンブルクの通り。頭上に蝶のオブジェがずらりと吊るされ、奥に国旗
街なかの通りには、頭上に蝶のオブジェが等間隔に吊るされていました。その向こうにはルクセンブルクの国旗。左にはマイケル・コース、さっきはプラダもあった気がします。ブランド店が集まる、日本でいう銀座のような通りでしょうか。
12ユーロのケバブ
お腹が減ったので、お昼です。ただ、ルクセンブルクで郷土料理を食べようとすると、1品で20〜30ユーロはかかりそう。ここはだいぶ安く抑えたい。
選んだのはケバブの店。ケバブとフライドポテトとドリンクのセットで12ユーロです。この国の中では、正直めちゃくちゃお得だと思います。

12ユーロのセット。ケバブ、フライドポテト、コカ・コーラ
夏のコーラって、なんでこんなにうまいんだ。ポテトはホクホク。ケバブには玉ねぎとトマトと肉が十分すぎるほど入っていて、オリーブまで入っていました。ケバブだけで比べれば、ウィーンとそんなに変わらない値段です。物価がマジで高い国に、こういう店があるのはありがたい。
国立博物館は、美術館と博物館の合わせ技
腹ごしらえをして向かったのは、国立考古学・歴史・美術博物館。立派な建物です。私はお金を払わずに入れました。
中には、通貨の歴史、国としてのルクセンブルクの歴史、ローマ時代の遺構、中世の絵画から印象派、現代アートまで、あらゆるものが1つの建物に収まっていました。美術館と博物館が融合したような場所で、面白かったです。
崖の上と、地下要塞
博物館を出て、旧市街の崖の縁へ。見下ろすと、谷底にアルゼット川が流れ、家並みと教会が続いています。グルントと呼ばれる、川沿いの地区です。
すぐ近くにあるのが、「ボックのケースメイト」。岩盤の中に掘られた地下要塞です。もとは中世の城の地下室で、18世紀半ば、オーストリアが治めていた時代に大きく拡張されました。主な通路は110メートルの長さがあります。入口には、ユネスコの世界遺産のプレート。ルクセンブルクの旧市街と要塞群は、1994年に世界遺産に登録されています。

地下要塞の中から外を見る。岩をくり抜いた窓の向こうに谷の緑
岩をくり抜いたトンネルを歩くと、ところどころに外へ開いた窓があって、谷の緑やアーチの橋が見えます。ただ、入場料は日本円で1,800円ほど。その価値があるかと言われたら、正直、ない。外から見る景色と、中から見る景色がそんなに変わらないんです。地下要塞が好きな人なら、行く価値はあるかもしれません。
谷底へ下りて、チートエレベーター
それにしても、この街は坂が急すぎます。中心部と谷のあいだを歩いて移動するだけで、膝がガクガクになる。バスが無料なのは、正直めちゃくちゃありがたい。
それでも歩いて谷底へ下りると、赤い大きな橋が架かる、プファッフェンタールの地区に出ました。川のほとりから見上げると、さっきまでいた場所は、あの丘の上のほう。とんでもない高低差です。

谷底のプファッフェンタールから見上げたパノラマエレベーター
その高低差をスキップできるのが、崖に沿って立つエレベーター。坂道を飛ばせる、チートエレベーターです。上の旧市街とこの谷底の地区を結んでいて、2016年に開業しました。高さ60メートルのシャフトを、30秒ほどで行き来するそうです。これ自体が観光名所の1つになっています。
ルクセンブルク中央駅に戻ってからは、駅のカフェ「Golden Bean」で一休み。コーヒーと、りんごがぎっしり詰まったケーキです。

駅のカフェ「Golden Bean」のコーヒーと、りんごのケーキ
倒木で、知らない町へ
帰りは16時半すぎの列車で、コブレンツ方面へ。ところが、本来なら乗り換えなしで行けるはずのトリーアで、乗客はみんな降ろされました。この先、ヴィットリッヒとのあいだで線路に木が倒れたそうです。私が乗ってきた列車は、そのままルクセンブルクへ折り返していきました。もう、またかよって感じです。
駅で聞くと、2つ先のヴィットリッヒまで代行バスが出るから、それで行ってくれとのこと。でも駅前は、フランクフルト方面へ行くはずだった人の山。この案だと、今夜のハンブルク行きに間に合わないかもしれません。
そこで、自分でアプリで別のルートを探しました。トリーアからバスで、まったく違う方向のイーダー=オーバーシュタインへ行き、そこから列車でフランクフルトへ。追加で29ユーロかかるけれど、今夜の列車に遅れるのがいちばん渋い。この際しゃーない。バスに乗っちゃいます。
19時40分すぎ、イーダー=オーバーシュタイン駅に着きました。ここは宝石の街として知られていて、街には、見学できる鉱物の鉱山としてはヨーロッパで唯一とされる場所もあるそうです。本当なら行きたいけれど、今日は急ぎなので残念。
ホームが2面3線しかない小さな駅に、さっきのバスで来た人たちがあふれています。ドイツあるあるなのが、列車がホームのどこに停まるか分からない問題。みんな1か所に固まってワチャワチャしているのに、列車が来て位置がずれると、全員で大陸移動を始めます。
それでも、なんとか座れました。これでフランクフルトまでずっと座っていける。特急のような設備の車両で、スマホで測ると時速134キロ。神すぎる。ついてるわ。ドイツの列車旅は、乗り換えに余裕を見ておいたほうがいい。これは間違いありません。
夜のフランクフルトで、青島ビール
フランクフルト中央駅に着いたのは、夜10時前。ルクセンブルクの駅を出てから5時間半です。長かったわ、本当に。それでも、ハンブルク行きが出る前に、ちゃんと余裕をもって戻ってこられました。天才でしょ、これ。

中華料理店の青島ビール
宿でバックパックを受け取って、軽く腹ごしらえ。と思って入った中華料理店で、久しぶりのアジア料理がめちゃくちゃうまくて、明らかに軽食のつもりの腹に、フルで入れてしまいました。もう満腹です。
最後に、パン屋で明日の朝ごはんを買いました。ドイツ語で注文したら、全部通じた。幸せです。明日の朝は、ワッフルが食べられます。
乗るのは23時29分発の、ハンブルク行きの列車。明日の朝まで、この列車にお供してもらいます。それでは、また明日。
この日に出ていったお金:6,439円 50万円の残り:126,233円